ストップモーションで制作されたアニメ「モルカー」が最終回を迎え、その興奮冷めやらぬ頃…… 同じくストップモーションで7年掛けて制作された狂気のアニメが劇場公開されていました。その名も『JUNK HEAD』。この作品が長編アニメとして公開されるまでの経緯などが記事で取り上げられて存在を知り、公開劇場を調べたところ近所の劇場でもまだやっていることがわかったので行ってきました!
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本編
作り込まれた世界観に引き込まれる!
人類が生き残りをかけて無機質な体に転換し、永遠とも言える命を手に入れた代償に生殖能力を失った世界。その人類も新たなウィルスで存続の危機にある状態。偶然でしょうがコロナに脅かされている現在の人類にも似た境遇ですね。まさか制作している7年の間にこんなことになるなんて予想していなかったのでは。
冒頭に出てくる空の見える地上が人類が居住している上の世界、地下に広がる広大な世界が人類が生み出した生物「マリガン」が住む世界のようです。主人公パートンは地上からマリガンの調査のため、地下へと打ち込まれる! 主人公パートンの日常風景も少し登場しており、ヴァーチャルダンススクールを運営していたようですね。性別の概念はまだ残っているようですが、肉体の概念はどうなっているんだろう。生命の木から生まれてくるマリガンにも性別の概念が存在することがわかりますが、人類はこれをヒントに生殖能力を獲得しようとしているんですね。まあ、生殖器と思われたものはただの尻尾で、冬季になると毛に覆われるのだとか。
地下に広がった世界が次々と展開
地下という閉鎖的空間の不気味さや、それでいて地下とは思えない広大な空間がこの作品の魅力の一つ。多階層の世界を移動しつつ(落ちつつ?)物語は展開していきます。世界観の描写が見事なのと同様、結構グロい描写や生々しい描写も多いです。血もドバドバ出るのでグロ耐性が低い人はご注意ください。
セリフもオリジナルの言語で喋っているためセリフは字幕で表示されます。実質字幕映画。ときどき日本語っぽい感じの単語が出てきたりしてクスっとなったりも。言語から作り上げてしまうとは、世界観の作り込みに妥協なしですね。
ラスボス戦では頼もしい味方が!
最初に出てきた3人組、公式サイトでも「3バカ兄弟」とまとめて紹介されているぐらいなのに終盤で再登場&大活躍だったのが熱いですね。肉体を強化する薬で巨大化し、ラスボス(これまた公式サイトにそう紹介されている)に挑み、崩れてきたコンクリートでペチャンコに(´・ω・`) 本編はここで終了。エンディングへと突入します。
スタッフロールには監督の「堀貴秀」がずらりと並んでおり圧巻! 映像関連のみならず、セリフも監督自らが当てていたんですね。また、エンディングの背景にメイキングが流れます。
↓メイキングはYouTubeでも観られるので是非観てください。
所感
途中からストップモーションアニメであることを忘れてその世界観にどっぷり引き込まれていました。セットの精密さはもちろんキャラの動きも作り込まれています。煙などのエフェクトはアフターエフェクトで作られているようですが、これも独学なのだとか。さすがハリウッドからオファーが来るだけあります。凄い才能だ……
生命の木に辿り着く前に本編が終了してしまったので、そこで何を発見するのか!?浄化の炎とはなんだったのか!?人類の未来はどうなるのか!?と気になってしまいます。実はこの作品、3部作の構想があるらしく、既にコンテまでできあがっているそうです!資金さえあればすぐにでも着手したいのだとか。早く続きが観られる日が来るといいな。