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さよならの朝に約束の花をかざろう 映画

【ネタバレあり】さよならの朝に約束の花をかざろう あらすじと感想

投稿日:2018年3月10日 更新日:

あの花、ここさけでお馴染みの岡田麿里が監督を務めた作品ということで公開初日に観てきました。
例によって前知識はほぼ無い状態で挑みましたよ。
(ちなみにここさけは劇場で42回観てその度に泣かされておりますw)

物語開始

物語はイオルフと呼ばれる長寿の種族が住む村からはじまります。
まず、はじまってすぐにその美術の美しさに目を奪われます。
イオルフの神秘的な光景、特に塔の内部の機織り機と天井に連なるヒビオルの幻想的な光景、さすがはP.A.WORKSですね。
大画面がとても映えます。
おとなしそうなマキア、活発なレイリア、そしてレイリアへの好意を持っていることを匂わせるクリム、とメインとなっていく面々がここで出揃います。

メザーテ侵攻

イオルフの血を取り入れることを企んだメザーテが攻め込んできます。
赤目病を発症したレナトに追い回されるマキア。
逃げ惑いながらも目の前に出てきたレナトの足をジャンプでひょいっとかわしたり、意外と運動神経良さそう?という描写も。
しかしそれも長くは続かず、倒れ込んだ際に絡まったヒビオルごとレナトに運ばれていってしまいます。
空を飛ぶレナトから初めて見た外の世界、それはそれはとても美しいものでした。

エリアルとの出会い

遥か彼方で赤く燃える村を見たマキアは絶望し崖から飛ぼうとします。
そのとき、どこからか赤ん坊の鳴き声が。導かれるように声のする方へ向かうマキア。
そこで見たものは賊に襲われ亡くなった母親とその手に抱かれた赤ん坊でした。
マキアは涙ぐみながら死後硬直で固くなった母親の指先を一本ずつ外していきます。
「おもちゃじゃありません。私のヒビオルです。」と言ったときのマキアの表情はとても母性を感じさせるものでした。
寒そうにするエリアルを焦げ目がついたヒビオルで包んであげるのですが、これが大きな伏線となるのです。
お日様の匂いってどんな匂いなのかなぁ。

6年後

マキア 21歳、エリアル 6歳、ラング 15歳

ヘルム牧場で機織りの仕事をしながらエリアルを育てるマキア。
一人で立って歩いたり、「ママ」って呼ばれたり。
すくすくと成長するエリアルを一緒に見守っている気分になれます。
そんなとき、犬のオノラが亡くなりマキアは周りの人たちが自分よりもずっと早く死んでしまうことを嫌でも実感させられます。
泣きじゃくるマキアでしたが、「母さんは泣かないものなんだ」とラングに諭され、泣かないことを約束をします。
寿命の違い、長老が言っていた「誰も愛してはならない。」というのはこの作品の大きなテーマですね。

レイリア奪還に失敗し、クリムに「君に守れるのか?大切なものを」問われるエリアル。
次の日、なかなか仕事が見つからず疲れ切ったマキアとエリアルは少しすれ違うものの「母さんは僕が守る」と宣言し、親子の絆は深まるのでした。

9年後(物語開始から15年経過)

マキア 30歳、エリアル 15歳、ラング 24歳

ドレイルの酒場で働くマキア。とてもかわいい。
テキパキと業務をこなしているところを見ると、この9年間で人間の世界に揉まれたことがわかりますね。
エリアルも仕事を始めたようです。
酒場でラングと再会し、レイリアの今の状況が明かされます。
かやのんの憎悪に満ちた迫真の演技に圧倒されました。

ラングからメザーテがマキアを探していることを聞き、もうここにもいられないことを悟るマキア。
ここでラングが一緒にヘルム牧場に行こうと告白をします。
しかし、マキアは「今はエリアルのことしか考えられない」と断ります。
マキアが髪を染めるシーンとそれを見て顔を赤くしているラング、それがこのシーンに繋がってくるのですが見落としてしまった人が多い模様。
2回目以降は注目して見るといいですね。

初めて酒を飲まされて酔っ払ったエリアルはいつまでも自分を子供扱いするマキアと衝突し、「あなたを母親だとは思っていない」と言い放ちます。
いつまでも変わらないマキアと着実に成長を重ねていくエリアルとの間に段々溝が深まっていく。
そんなこともあり、エリアルはラングに城の兵士にしてもらえないか掛け合います。
マキアのことを「母親じゃない」と言ったことに怒りを顕にするラングでしたが、「今の自分じゃ守れない。それどころか傷つける。」と泣くエリアルを見て頼みを聞き、エリアルはマキアの元を離れます。
「いってらっしゃい」と気丈に見送るマキアでしたが、部屋に戻ると「嘘つき」と泣き始めます。
エリアルが織ってくれたヒビオルを抱きしめながら。

※ ところでランプが床に落ちて燃えるシーンの初期消火が見事だと思うのは俺だけでしょうか。

6年後(物語開始から21年経過)

マキア 36歳、エリアル 21歳、ラング 30歳

物語はクライマックスに差し掛かります。
エリアルはディタと再会し、結婚、そしてもうすぐ父親になろうとしていました。
そのとき、クリムの根回しでメザーテの周辺諸国が手を組み攻め込んできました。
奇しくもメザーテ(エリアル)とバイエラ(マキア)で敵対する構図となってしまった二人。
クリムとマキアは同じ馬に乗っていたのですが、馬が流れ弾に当たってしまい、顔から突っ込むという派手な転び方をします。

またも運命のいたずらで、そして敵同士としてばったり出会ってしまったマキアとエリアル。
気を使って戦線からはずそうとするラングでしたが、「ここはあの人から離れて初めてできた自分の居場所。俺はそれを守りたい。」とエリアルは戦う意思をみせます。

その頃マキアはさまよい歩き、燃えるメザーテの城を見ながらあの日のことを思い出します。
そこで出産間近のディタと再会。ディタもマキアのことに気付きます。
と同時にメザーテは防衛ラインを突破され、戦争は最終局面を迎えていました。

恐怖でパニックになるディタと必死で話しかけるマキア。
「もうすぐ赤ちゃんに会えるよ」
「赤ちゃん、生まれてきたがってるよ」
「ディタとエリアルはお母さんとお父さんになるんだよ」
ひよっちの必死の演技も相まって見ている方もかなりの力が入ります。
出産に立ち向かうディタと戦場で戦うエリアルが交互に流れ、お互いに立ち向かっていることが示されます。

エリアルが大ピンチで血しぶきが上がる(暗示?)、と同時にディタは無事出産。
マキアはディタの顔を拭いてあげ、「頑張ったね、ディタ。お母さん。」と優しく話しかけます。
エリアルとディタの赤ちゃんに指を掴まれ、エリアルに出会った日のことを思い出すマキア。
目を覚ましたエリアルに「エリアルのお母さん」のことを話します。
自分はエリアルのお母さんにはなれなかった、と。
エリアルもマキアから沢山のことを教わったのにマキアから逃げ出してしまったことを話します。
別れ際には再び「母さん」と呼び……
このシーンは涙なくしては見られません……

この作品は雪(灰)のシーンがとても印象深いです。

さらに数十年の時が流れ……

ラストシーン、数十年後の世界。(恐らく40年後?)
マキアはエリアルの元を訪れます。
孫のリリィとあの時取り上げた娘のミリアが登場し、時の流れを感じさせます。
懐かしのミドたちが住んでいた家、あの元物置だった部屋へ。

そこにいたのは寿命を迎える寸前のエリアルでした。
マキアは年老いたエリアルの手を握り、「凄いね。いっぱい、一生懸命生きてきたんだね。」と涙ぐみながらも「泣かないよ、約束だもん。」とこらえます。
そのときです。
エリアルが目を覚まし、最後の力を振り絞ってマキアに「おかえり」と告げたのです。
「ただいま」と答えるマキア。天に召されるエリアル。
マキアは鞄からヒビオルを取り出し、エリアルに掛けてあげます。
そう、あの日エリアルを包んであげたヒビオルを。
おでこにキスをして「晩御飯までには帰ってくるんだよ」と優しく話しかけるマキア。

これまでに紡いできた沢山の沢山の思い出が駆け巡り、ついに約束を破って号泣してしまいます。
画面いっぱいに飛ぶタンポポの綿毛。
エリアルの「お母さん、大好き!」で完全に止めを刺されました。

苦しいだけじゃない別れもある

終盤ではずっと泣きっぱなしでした。
あの花、ここさけでも泣かされまくってきたわけですが、またしてもマリーにしてやられました。シナリオ、美術、そして音楽の力の大きいこと。
マキア役の石見舞菜香さんをはじめ、声優の皆さんも素晴らしい演技をされていました。

母親の、マキアの強さ、そして深い愛情に感動し、とてもしあわせな気持ちになれました。
親にとって子供ってのは何年経っても子供なんだなって。

愛して、よかった。

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