あの「さよ朝」のスタッフが再集結!岡田麿里監督の2作目となる本作が公開されました。さよ朝は公開されるなり劇場で20回観るほどどっぷりハマりましたが、今作は一体どんな作品なのか?早速観てきました。
↓さよ朝の考察などのまとめはこちらを御覧ください。
↓PVを観る限りマリー節炸裂感ありますがはてさて!?
感想
舞台は工場の爆発から時が止まってしまったとある地域。劇中の時代はスマホは無し、ブルマがある、ラジカセが現役、自販機も子供の頃に見覚えがあるレトロなものが登場するなど今から30年程度前の設定のようですね。(背景の漫画雑誌に91年と書かれていたとの情報あり) 朝昼晩の時間の流れはあるものの、ずっと冬のある日を繰り返しているようです。
終盤で「工場を稼働させるのは10年ぶり」と言ったセリフがあるので10年程度経過していることがわかりますが、となると主人公たちは10年も中学生を繰り返していることに。体は成長しないとは言え、記憶はリセットされるわけでは無さそうなので精神年齢24歳ぐらいで中学校に通っていることになるわけですね。いつか時が動き始めたときのために敢えて変わらない毎日を送っているようですが、実際問題いつまで続くかわからない同じことの繰り返しにメンタルは耐えられるのだろうか!? 10年間ずっと妊婦のままの女性も辛い、もし病気だったらと思うと怖いですね。一応痛みの感覚などは無くなっているとの説明がありましたけどね。ほかにも10年経っていることや田舎では車が無いと不便なことから子供も運転することを許されている設定もあります。
ゲームコーナーでアストロシティが並んでるシーンがあり、この世界ならブラウン管は永久に壊れないのだろうか!?とちょっと羨ましく思ったりw 自宅のアストロシティは随分前にブラウン管が壊れてしまいましたからねぇ。(今は液晶に換装済み) 91年と言えば格ゲーが台頭しつつも、まだまだシューティングが元気だった時代。とは言えもう10年ラインナップが変わらないわけですよね……
ヒロインの一人、睦実がちょっと怒りっぽい。主人公の正宗にスカートをたくし上げて下着を見せるなど謎行動が目立ちます。もう一人のヒロイン五実は無垢な狼少女。久野ちゃんと言えばさよ朝のメドメルを思い出しますね。五実のウェディング姿もかわいかった!なんかさよ朝のレイリア感ありました。
佐上衛の声優は最初「千葉繁?」と思いましたが、佐藤せつじさんでした。この作品では悪役にあたるので先入観で脳内変換されてた感。
登場人物の恋愛模様など、マリー節全開な作品でした。下ネタをぶっ込んできて若干滑り気味なのも健在。濃厚なキスシーンも見応えあり。登場人物の頬が常に赤くなっていて凄い発情感ある!ただ世界観はちょっと突っ込みどころが多く、電気は?電波は?食料は?など考えてしまいます。さよ朝のときもリアリティに対して結構突っ込まれてましたが、その辺の細かいところを無視できるパワーがありました。さよ朝は本当にハマった作品なのでどうしても評価が厳し目になってしまいますね。元の世界の記憶などほぼ無いであろう状態の五実がその後どんな人生を送ったのか、最後に工場を訪れるシーンなどから想像の余地がありますね。
EDで流れる中島みゆきの「心音」は良かったです。なんでも監督がオファーを行い実現したのだとか。何気にアニメに楽曲提供は初めてというのが凄い!
ところでアリスもテレスも出てこなかったわけですが、タイトルにはどんな意味が込められているんでしょう。普通に考えると元ネタは「アリストテレス」で「希望とは、目覚めている人間が見る夢である。」という名言が関係しているのかな?と思ってみたり。