少し前の映画ラッシュでTOHOシネマズに連日通っていたときのこと。この作品のでっかい宣伝イラストが貼ってあるのを行くたびに目にし、気になってはいたのですが……公開されるやいなやツイッターでの評判がうなぎのぼり!感想ツイートをよく目にするようになってきました。
そこで調べてみたところ、この作品にはTVシリーズがあることが判明。「そちらを先に観ないと行けないのかな?」と思っていたのですが、これは「銀河鉄道999のTVシリーズと映画」みたいな関係にあるようで、TVシリーズを見て無くても全く問題が無いとのこと。同じ作品を元に違うスタッフで別々の作品として作っているみたいですね。
というわけで観てきました。それにしても公開1週間とは思えない上映回数の少なさ。近所の劇場ではすでに1日1回上映でした(´・ω・`)
本編感想
旅館ものということで「花咲くいろは」や「このはな奇譚」を思い浮かべる人も多そうですが、この作品はこれらの中間あたりに位置するものでした。
花咲くいろは(リアル寄り) – 若おかみは小学生! – このはな奇譚(ファンタジー寄り)
時代はタブレットなどが出てくるので現代と考えて良さそうです。昭和でも成立しそうな話ではありますがw
主人公は小学生のおっこ
主人公のおっこが両親を交通事故で亡くすという重い話から始まり、おばあちゃんの旅館「春の屋」ではひょんなことから若おかみとなります。最初は虫を怖がっていたり、いろいろ失敗をしたりと年相応の女の子として描かれています。普段は天真爛漫な娘ですが、両親が亡くなったことをずっと受けいられず夢に両親が出てきたりと随所に重い話が出てきます。トラウマ発動のシーンも何度かあり、ハラハラさせられるポイントとなっています。
美術が秀逸!
おっこはお菓子作りが得意なようで、自作のお菓子を客に振る舞うシーンが出てきます。また旅館は客のリクエストに答えて様々なカスタマイズを行った料理を出すのですが、これらの料理がことごとくうまそう!うまそうな描写はジブリや藤子・F・不二雄の作品に通じるものがありますね。美術も秀逸で背景が美しく、窓への映り込みなどもしっかり描写されています。鯉のぼりのシーン(追っかけっこ)もとてもダイナミックでした。
ちなみに「春の屋」のモデルは京都の「美山荘」、真月の「秋好旅館」は「ホテル花水木」がモデルとなっているようです。聖地巡礼に訪れる人も増えそうですね。
真月がいいキャラ!
最初はライバル的な役として出てきたピンふりこと真月。キツめの物言いですが、温泉街全体のことを真剣に考えていることが伺えます。終盤でおっこが頼って来たシーンは熱かった!おっこが来てると知るや、座って待ち構えw耳を触る仕草もでてきましたね。(この仕草の意味はTVシリーズを観るとわかります。) 真月がおっこを認めていく過程は見どころです。
お姉ちゃんの美陽もまたかわいいんですよね。生きていれば20歳ぐらいになるようですが、見た目相応のいたずらっ子なところも良いです。
グローリー水領さんとの交流
登場シーンでは大きなインパクトを与えたグローリーさん。入浴シーンが出てくるのですがこれが実にエロいw メインターゲットが子供なのにこんなシーンがあるとは結構意外でした。ある意味ペンギン・ハイウェイよりもおっぱい成分があるかも!?まあドラえもんにも入浴シーンはあるわけで、そこまで取り立てて言うようなものでも無いかもですが。
おっこはグローリーさんにすっかり気に入られ、買い物にも一緒に行くようになります。ここでおっこのファッションショー(試着)なシーンが出てくるのですがこれまたかわいい!和服やパジャマもとてもかわいいのですが、このシーンは特に印象深いです。
心温まるストーリー
小鬼の鈴鬼の力によって少し癖のある客が次々と訪れるのですが、その度に色々なアイディアを出して乗り越えていき人間的にも成長していきます。この辺りはドラマ「HOTEL」を彷彿とさせますね。トラウマを克服したりして成長していくに連れて幽霊たちが見えなくなっていく……こちらは魔女の宅急便のジジと会話ができなくなる話を彷彿とさせます。様々は経験を積みたどり着く、最後の神楽の舞は見応えBATSUGUNでした!
口コミ効果はどこまで広がるか?
というわけでなかなかの良作ではあるのですが、いかんせん上映回数が少ない……近所の劇場では1日1回上映ですし、大人が観ても見応えがある内容でありながらレイトショーも無し。評判とは裏腹にこのまま埋もれていってしまいそうな雰囲気です。感想ツイートを読んで興味を持った人が見に行くこともままならないのが惜しいところですね(´・ω・`)
TVシリーズもオススメ!
ちなみにTVシリーズはamazonプライム・ビデオで絶賛配信中!(2018年10月現在) というわけでイッキ見しました。映画を観て気に入った人は是非観てみてください。