MOTHERが今なお愛され続けている要素の一つとして音楽が挙げられると思います。
ファミコンの音ながら、エコーをかけたり、ギターを鳴らしたりなど、
そうは感じさせない素晴らしく凝った音作り。
現代では豊富な音色と音数で厚みのある曲を演奏する事が出来ますが、
昔はそうではありませんでした。
ファミコンのPSG音源、少ない音数で知恵を絞りいろいろな手段を
尽くして素晴らしい曲の数々が生み出されていたのです。
その環境で本当に良い曲を表現するにはまずメロディそのものの質が非常に重要です。
それらとシンプルな音がうまく調和した時、その音楽は一生心に残るものになるのです。
こうして作り上げられたMOTHERの音楽。
製作者の想いの全てが込められています。
クイーンマリーの城、スノーマン、イースター、そしてエイトメロディーズ。
そのやさしいメロディに子供心ながら感動したものです。
私は小学生の頃から今まで本当に何十回とプレイをしていますが、
未だに飽きることが無く、むしろしばらくするとまた聴きたくなり、
再びゲームをプレイしたくなるような懐かしさと言いますか、そんな魅力のある音楽です。
この懐かしさが、10年来のファンの心を今なお、掴んで離さないというのも頷けます。
本当にゲーム史上に残る名曲と言っても過言ではないでしょう。
ちなみにCDも発売されており、これもまた非常に素晴らしい出来です。
厳選された10曲を豪華にアレンジ。なんとボーカルも入っています。
MOTHERの音楽は開発中もレコード化を意識していたそうです。
ですから無理やり歌詞を載せたような不自然さを感じさせず、
自然な仕上がりになっているんですね。
アレンジ曲以外にも、ファミコンの音源のものも入っています。
残念ながらスノーマンの曲は入っていませんが。
そして誰もが一度は考えるであろう、集めてきた8つのメロディの連結も実現されています。
(私も小学生の頃、カセットテープに録音して繋いだことがあります。)
CDに関してはグッズのコーナーに詳しいことを掲載してありますのでそちらをご覧下さい。
そして5年後、待望のMOTHER2が登場しました。
わくわくしながらプレイを開始、オープニングを見た後、
赤いボタンを押した瞬間飛び込んできた曲は!
そう。ティンクル小学校の音楽です。
ほかにも嬉しいことに1からリメイクされた曲が非常に多く存在します。
マイホームの曲を、しばらく聴いていると流れる
ポリアンナに感動した人も多いのではないでしょうか。
他にもウィンターズの寄宿舎、ドコドコ砂漠、ポーラスター幼稚園、
更に曲の途中でさりげなく混ざっているものなども含めると
数え切れないくらいの場面で使われています。
プラットフォームもスーパーファミコンになったと言うことで音色、音数共に格段に増え、
多彩な表現が出来るようになりました。
それらをいかして色々な音遊びをやっているのもまた面白い点です。
サンプリングを生かした、美しい水の音やあの不快なゲップ(!)をはじめとする効果音、
名前入力の時の「OKすか?」、エンディングの「I miss you...」の声、
ドコドコ砂漠(ラジオっぽくするために小さいスピーカで鳴らしたのをサンプリングしたらしい)、
オープニングのギターの音(実は宮本さんが弾いたのをこっそり録音して流したらしい)、
マシンのスペックとまわりに存在するありとあらゆる素材を駆使して作り上げられた
音楽は非常に親しみやすく、これまたしばらくするとまた聴きたくなる魔力を秘めています。
MOTHER2もCDが発売されています。
残念ながらアレンジ曲はありませんが、戦闘の曲などを繋ぎ合わせた
リミックスなどが収録されています。
こちらも全ての曲が収録されていないのが惜しむべきところですが。
数々の魅力が詰め込まれたMOTHERの音楽。
これを読んでいるあなたもまた聴きたくなってきたのではないでしょうか?
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